学校飼育動物支援活動

 

愛着を持って哺乳類や鳥類を飼育し、必要 とされる喜びを感じ、病気になることを心配し、失う哀しみを体験し、それらを仲間と共有する経験は,愛情・感性を培い、自己肯定感・自尊感情を培い、生命尊重の態度育成・責任感を培い、謙虚さを知り、協力する気持ちを養い、人を思いやる心・共感を養い、科学的視点を得、ハプニングへの対応力を高め、マザリング効果をもたらします。西東京市獣医師会では、子供達が優しい気持ちを持ち成長できるように、西東京市教育委員会と協働し小学校での動物飼育を支援しています。

 当院では,地元の保谷第二小学校を始めとした市内小学校の子ども達が,学校の飼育動物を愛することができる環境整備に協力しています.

「動物は子どもの心を育てる!」

 

全国学校飼育動物獣医師連絡協議会 顧問 東大名誉教授 唐木英明

2007年1月14日(日)に学校飼育動物の研究会があり、とても面白い発表がありました。新聞にも出たので、読んだ人もいるかもしれませんが、ご紹介します。

4年生の子供約800人に、「真夏に締め切った車の中にいる犬は、暑くてかわいそう?」など8つの質問をして、「動物に対するやさしさ」を測定しました。 また、「友だちの宿題や練習を手伝ってあげる?」など10の質問をして、「他人への思いやり」についても測定しました。その後、1年間、半数の子供は学校で動物を飼育しました。残りの半数はしませんでした。 そして、1年後に、同じ質問をしたところ、その結果は驚くべきものでした。「動物に対するやさしさ」は、動物を飼育しない子供は1年たっても変わりませんでした。ところが、飼育した子供は、とても優しくなったのです! 「他人への思いやり」は、動物を飼育しない子供は1年たっても変わりませんでした。ところが、飼育した子供は、とても思いやりがある子供に変わったのです!

 

日本の小学校の90%以上で動物を飼育しています。この動物をうまく使って、子供たちが動物とふれあう機会を作れば、子どもの心の発達にとても大きな効果があることが分かったのです。 ところが、せっかくの動物をうまく利用していない学校が多いのは残念なことです。動物をうまく利用したい学校の先生は、ぜひ、地域の獣医師会に相談してみてください。